WordPressサイトにアクセス解析・ヒートマップを導入する方法
「ホームページからの問い合わせが増えない」とご相談を受けたとき、まず伺うのが「アクセス解析は入れていますか」という質問です。感覚だけで改善を続けるより、データを見ながら手を打つほうが、結果的に近道になることが多いです。
「見られているのか」すら分からないまま運用していないか
ホームページを公開した後、多くの事業者様が気にされるのはデザインの見た目や、更新のしやすさです。もちろんそれらも大切なのですが、実際に運用を始めてから本当に重要になるのは「誰が、どのページを、どれくらい見ているか」というデータの部分です。この部分が空白のまま運用を続けていると、問い合わせが増えない原因がデザインなのか、文章なのか、そもそもアクセス自体が少ないのかを判断する材料がなく、改善のしようがありません。
実際にご相談いただく事業者様の中には、「ホームページを作ってから一度もアクセス数を見たことがない」という方も少なくありません。せっかく作ったサイトが日々どう使われているかを知らないまま運用を続けるのは、店舗を構えたのに来店客数を一切数えていないのと近い状態です。まずは現状を数字で把握することが、改善の出発点になります。
特に多いのが、「問い合わせページまでちゃんとたどり着かれているのか」「トップページを見た人のうち、どれくらいがサービス紹介ページまで進んでいるのか」といった、サイト内の動きが見えていないケースです。こうした情報が分からないままリニューアルやデザイン変更を検討してしまうと、実はほとんど見られていないページに手を入れてしまったり、逆に多くの人が離脱している肝心のページを放置してしまったりと、労力のかけどころを誤ってしまう危険があります。
アクセス解析やヒートマップは、こうした「見えていない部分」を数字と画面の両方で可視化するための道具です。デザインの好みや担当者の勘に頼った改善から一歩進み、実際の訪問者の行動という客観的な事実をもとに判断できるようになる、という点が最大のメリットだと言えます。
WordPressに導入できるアクセス解析・ヒートマップの機能
アクセス解析といっても、把握したい内容によって使う仕組みは変わります。大きく分けると「何人が来て、どのページをどれくらいの時間見ているか」を数字で把握する解析ツールと、「ページ上のどこがクリックされ、どこまでスクロールされ、どこで離脱しているか」を視覚的に把握するヒートマップの二種類があります。この二つを組み合わせることで、数字と見た目の両面からサイトの課題を洗い出せるようになります。
Google Analytics(GA4)は現在もっとも標準的に使われているアクセス解析ツールで、無料で利用できます。ただし管理画面が専門的で、WordPressとは別サイトのため見に行くのを忘れがちという声もよく聞きます。そこで役立つのがMonsterInsightsで、GA4のデータをWordPressの管理画面上にグラフ付きで表示してくれるため、記事を書くついでに数字を確認する習慣がつきやすくなります。ヒートマップについては、Microsoft Clarityが無料で使える代表的なツールで、クリックの集中箇所やどこまでスクロールされているかを色分けした画面で直感的に把握できます。数字だけを見ていても気づきにくい「実はこのボタン、誰もクリックしていない」「文章の途中で半分近くの人が離脱している」といった具体的な様子を、専門知識がなくても色の濃淡で直感的に理解できるのがヒートマップの強みです。
導入の流れ
Google Analytics(GA4)のアカウントを作成する
Googleアカウントがあれば無料で作成できます。計測対象のサイトを登録すると、計測用のIDが発行されます。
WordPressにトラッキングコードを設置する
発行されたIDをサイトに埋め込みます。MonsterInsightsなどのプラグインを使えば、コードを直接編集する知識がなくても管理画面上の設定だけで完了させることができます。
Microsoft Clarityを連携し、ヒートマップを取得開始する
Clarityも無料アカウントを作成し、発行されたコードをサイトに設置します。設置後、実際の訪問者の動きに応じてクリックデータやスクロールデータが蓄積されていきます。
データがたまるまで数週間様子を見る
導入した直後はデータがほとんどないため、正確な傾向を掴むには一定期間の蓄積が必要です。アクセス数の少ないサイトほど、ある程度の期間を待ってから判断することが大切です。焦って途中で設定を変更してしまうと、データの連続性が失われ、比較がしづらくなってしまうこともあります。
数字と実際の画面を見ながら改善点を洗い出す
離脱率の高いページ、クリックされていないボタン、途中までしか読まれていない記事などを特定し、優先順位をつけて改善していきます。
データを見ても「なんとなく」で終わらせないために
アクセス解析やヒートマップを導入すると、たしかに多くのデータが手に入ります。しかし正直にお伝えすると、データが手に入ることと、そのデータをもとに正しい改善ができることは、必ずしもイコールではありません。実際、導入だけして満足してしまい、数字を見る習慣が続かないというケースはよく見かけます。
また、GA4の管理画面は初めて見る方にとってはかなり専門的で、どの数字を見ればいいのか分からず挫折してしまうことも珍しくありません。MonsterInsightsのように分かりやすく表示してくれるプラグインを使ってもなお、「アクセス数は分かったけれど、これをどう改善につなげればいいのか」という次の一歩で止まってしまう事業者様は多いです。ヒートマップについても同様で、クリックされていない場所が分かったとしても、それをボタンの位置を変えるべきなのか、文言を変えるべきなのか、そもそもそのページ自体が不要なのかを判断するには、ある程度の経験や視点が必要になります。ツールはあくまで材料を集めるためのものであり、そこから何を読み取り、どう手を打つかという部分は、結局のところ人の判断に委ねられるという点は理解しておいていただきたいところです。
もう一つ実務でよく感じるのが、「数字だけを見て焦って手を入れすぎてしまう」という落とし穴です。例えば特定の日にアクセスが急に落ちても、それが季節要因なのか、検索エンジン側の一時的な順位変動なのか、たまたまその日だけの誤差なのかは、短期間のデータだけでは判断がつきません。一日や二日の変化に振り回されて頻繁にサイトを作り変えるよりも、数週間から数か月単位の傾向で判断し、腰を据えて改善に取り組むほうが結果的に良い方向に進むことが多いというのが、これまで多くのサイトに関わってきた実感です。
小規模なサイトでも導入する意味はあるか
「うちはまだアクセス数が少ないから、解析ツールを入れても意味がないのでは」というご質問もよくいただきます。むしろアクセス数が少ない段階だからこそ、一件一件の訪問者がどう動いているかを丁寧に追える、というメリットがあります。訪問者が多くなってから振り返るよりも、サイト公開の初期段階から数字を見る習慣をつけておくほうが、後から出てくる課題にも早く気づけます。GA4もMicrosoft Clarityも無料で始められるツールですので、まずは規模にかかわらず導入し、数字を見ることに慣れていくことをおすすめしています。
反対に、アクセス数がある程度多いサイトであっても、解析ツールを導入していない、あるいは導入したまま数字を見返していないというケースも意外と多く見られます。規模の大小にかかわらず、「導入すること」自体よりも「継続して見る習慣を持つこと」のほうが、実は成果に直結しやすい部分だと考えています。月に一度でもよいので、決まったタイミングで数字を振り返る時間を業務の中に組み込んでおくことをおすすめします。
数字が読めるようになると、次に見えてくること
アクセス解析を運用の中に定着させると、単に「アクセス数が増えた・減った」という一喜一憂を超えて、サイトの構造そのものを見直すきっかけが見えてきます。例えば、特定のブログ記事だけ極端にアクセスが多いのに、そこから問い合わせページへの導線がほとんど用意されていない、といったことが数字とヒートマップの両方から浮かび上がることがあります。こうした発見は、感覚だけで運用していては気づきにくいものです。
また、当社でホームページ制作をご依頼いただいた事業者様の中には、公開後にアクセス解析を導入し、数か月分のデータをもとに「どのページを増やすべきか」「どのメニューを目立たせるべきか」をご相談いただくケースも増えています。制作時点では想定しきれなかった実際の訪問者の行動が見えることで、リニューアルよりも小さな改善を積み重ねていく方向に舵を切れることも多く、結果的にコストを抑えながら成果を出しやすくなります。
導入する際の注意点
- 導入直後はデータが少ないため、一定期間(目安として数週間から1か月程度)は判断を急がない
- 個人情報保護の観点から、プライバシーポリシーへの記載やCookie利用に関する案内が必要になる場合がある
- データを見て終わりにせず、定期的に振り返る時間を運用ルールとして決めておく
- 数字の読み解き方に迷う場合は、無理に自己流で判断せず、専門家に相談することも選択肢に入れる
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