WordPressサイトで会員ランク別にコンテンツを出し分ける仕組み
無料会員には概要だけ、有料会員には詳細情報や限定コンテンツを見せたい――そんな要望は、WordPressに会員機能を組み込むことで実現できます。ランクごとに見せる範囲をコントロールする仕組みを解説します。
「会員限定」と一口に言っても、段階を分けたいケースは多い
会員制のコンテンツを検討される事業者様からよくいただくご相談が、「会員限定」を単純に「ログインした人だけ」で区切るのではなく、「無料会員には一部だけ、有料会員にはすべて見せたい」「上位プランの会員にはさらに特別な情報を見せたい」というように、段階を分けて出し分けたいというものです。オンラインスクールの教材、専門家向けの会員サイト、法人向けの有料情報サービスなど、業種を問わずこうしたニーズは多く見られます。
単純な会員限定ページであれば、WordPress標準の機能やシンプルなプラグインでも対応できることがあります。しかし「ランクによって見える範囲を変える」となると、会員のランク(役割)ごとにアクセスできるコンテンツを細かく制御できる専用の仕組みが必要になります。
会員ランク別の出し分けで実現できること
この仕組みを実現するために使われる代表的なプラグインが「MemberPress」と「Restrict Content Pro」です。どちらも、会員登録の受付から、ランク(プラン)ごとのアクセス権限の管理、決済との連携までを一体で行える会員制サイト構築プラグインです。単に「見せる・見せない」を切り替えるだけでなく、料金プランと連動させて自動的に権限を管理できる点が、これらのプラグインを使う大きなメリットです。
MemberPressは決済・課金機能が比較的充実しており、サブスクリプション型の有料会員サイトを構築しやすいのが特徴です。Restrict Content Proもランク別のアクセス制限機能を備えており、必要な機能や料金体系に応じて選択肢になります。どちらも海外製のプラグインのため、日本語での情報がやや少ない点は考慮しておく必要があります。
導入の流れ
会員ランクの設計を固める
無料会員・有料会員など、どんなランクを何段階用意するか、それぞれのランクで何が見られるかを整理します。ここが後から大きく変わると、既存会員への案内や料金体系の見直しも必要になるため、最初の設計が重要です。
プラグインを選定・導入する
必要な決済方法、料金プランの複雑さ、既存サイトとの相性などを踏まえてMemberPressかRestrict Content Proを選び、導入します。
決済方法を接続する
クレジットカード決済など、有料会員の支払いを受け付ける仕組みを接続します。この部分は決済代行会社との契約や審査が必要になる場合があります。
コンテンツごとにアクセス権限を設定する
記事やページ一つひとつに対して、どのランクなら閲覧できるかを設定していきます。既存のコンテンツが多い場合は、この作業にまとまった時間が必要です。
会員登録・ログイン導線とマイページを整備する
訪問者が迷わず会員登録・ログインできるよう、導線やマイページのデザインを整えます。会員向けの案内メールの文面調整もこの段階で行います。
設計段階で決めておかないと後で困ること
会員ランク別の出し分けは、見た目以上に設計の部分が重要な機能です。正直なところ、プラグインを導入するだけでは終わらず、「そもそもどのランクにどこまで見せるか」という設計を事前にしっかり固めておかないと、公開後に何度も見直しが発生し、その都度手を入れる工数がかかってしまいます。
特に注意したいのが、料金プランを途中で変更した場合の既存会員への影響です。例えば「無料会員向けの公開範囲を後から狭める」といった変更を行うと、既存の無料会員から見えなくなるコンテンツが出てきて、問い合わせやクレームにつながることもあります。また、決済との連携部分は金銭が絡むため、テスト決済などを通じて「支払いが完了したのにランクが切り替わらない」といった不具合がないかを、公開前に入念に確認しておく必要があります。会員制の仕組みは、一度公開して会員が集まり始めると、後から仕様を大きく変えるのが難しくなる性質があるため、最初の設計にかける時間を惜しまないことが結果的に近道になります。
既存のブログサイトに後から会員機能を追加できるか
すでに運営しているブログやコラムサイトに、後から会員ランク別の出し分け機能を追加すること自体は可能です。ただし、これまで誰でも見られる状態で公開してきた記事を、途中から一部だけ有料会員限定に変更する場合は、既存の読者にどう説明し、どう案内するかという運用面の配慮も必要になります。検索エンジンからの流入がある記事を急に会員限定にすると、アクセス数や評価が下がる可能性もあるため、どの記事をどこまで制限するかは、集客への影響も踏まえて慎重に判断することをおすすめします。すでにコンテンツが蓄積されているサイトほど、会員機能の追加は「技術的にできるか」よりも「どう移行するか」の設計が重要になります。
導入する際の注意点
- ランクごとの公開範囲は事前にしっかり設計し、公開後の頻繁な変更を避ける
- 決済連携部分は金銭が関わるため、公開前にテスト決済で動作を入念に確認する
- 既存の無料公開記事を会員限定に変更する場合、検索流入や既存読者への影響を踏まえて判断する
- MemberPress・Restrict Content Proは海外製プラグインのため、日本語情報が少なく、設定には一定の知識が必要になる場合がある
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