WordPressサイトの多言語化(WPML・Polylang)の仕組みと費用
インバウンド需要の増加や海外取引先とのやり取りをきっかけに、「ホームページを多言語対応にしたい」というご相談が増えています。WordPressの多言語化を実現する代表的な方法と、費用の考え方について、正直にお伝えします。
WordPressの多言語化とは、何をどう実現するのか
WordPressの多言語化とは、日本語で作られたサイトに英語版・中国語版・韓国語版など他言語のページを追加し、訪問者が言語を切り替えて閲覧できるようにする仕組みを指します。単純に「Google翻訳のボタンを設置する」という自動翻訳とは異なり、多言語化プラグインを使う場合は、ページごとに翻訳済みの文章をきちんと登録し、言語ごとに独立したページとして管理するのが一般的です。これにより、翻訳の精度をコントロールでき、検索エンジンにも各言語のページが正しく認識されやすくなります。
WordPress本体には標準で多言語化の機能は搭載されていないため、多言語化を行うには専用のプラグインを導入する必要があります。代表的なものが「WPML」と「Polylang」で、この2つは仕組みも料金体系も異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。
WPMLとPolylang、それぞれの特徴
ざっくりとした傾向として、WPMLは機能が充実している分、有料プラグインとしての費用がかかり、大規模なサイトやEC機能を含む多言語サイトに向いています。Polylangは無料版からスタートできる手軽さが魅力で、ページ数が少ないシンプルなサイトの多言語化に向いていますが、サイトの規模や必要な機能によっては有料版(Polylang Pro)が必要になる場合もあります。
費用について、正直にお伝えしたいこと
「多言語化にはいくらかかりますか」というご質問を非常によくいただきますが、正直なところ、この質問に一律の金額でお答えすることはできません。多言語化の費用は、大きく分けて「プラグイン自体の費用」「翻訳作業の費用」「ページ構成・デザイン調整の費用」の3つの要素で決まり、それぞれがサイトの規模や進め方によって大きく変動するためです。
まずプラグイン自体の費用ですが、WPMLは有料ライセンス、Polylangは無料版であれば費用はかからず、機能を追加したい場合のみ有料版の費用が発生します。次に翻訳作業の費用は、ページ数や文章量によって大きく変わりますし、何より「翻訳を自分たちで行うか、翻訳会社やフリーランス翻訳者に委託するか」によって金額が大きく変わります。全ページを外部委託すればそれなりの翻訳費用がかかりますし、主要ページだけ委託して残りは自社で翻訳するという進め方であれば費用を抑えられます。最後に、多言語化に伴うページ構成・デザインの調整費用も見落とせません。言語によって文章の長さが変わることでレイアウトが崩れる場合があり、その調整には制作側の作業が必要になります。
結論として、「多言語化するページ数」「翻訳を自分で行うか委託するか」「既存デザインをどこまで調整する必要があるか」という3つの変数によって、費用は数万円規模から数十万円規模まで大きく変動します。「とりあえず相場を知りたい」というお気持ちはよくわかるのですが、実際には要件を伺ってからでないと現実的な金額はお伝えできない、というのが正直なところです。
導入の大まかな流れ
対象言語・対象ページの選定
どの言語に対応するか、サイト全体を多言語化するのか、一部の主要ページだけにするのかを決めます。
プラグインの選定・導入
サイトの規模や必要な機能に応じてWPMLかPolylangかを選び、既存のテーマ・プラグインとの動作確認を行います。
翻訳作業
自社で翻訳するか、翻訳会社に委託するかを決め、翻訳文章を用意します。ここが最も時間のかかる工程になることが多いです。
ページへの反映・デザイン調整
翻訳文章を各言語ページに反映し、文章量の違いによるレイアウト崩れがないかを確認・調整します。
言語切り替えボタンの設置・公開
訪問者が言語を切り替えられるメニューやボタンを設置し、各言語で表示確認を行ったうえで公開します。
多言語化でよくある誤解と、公開後の注意点
多言語化においてよくある誤解のひとつが、「多言語化プラグインを入れれば自動的に翻訳される」というものです。WPMLにもPolylangにも自動翻訳と連携できるオプションはありますが、機械翻訳の精度は文章によってばらつきがあり、特に商品の説明文やサービス内容など、正確なニュアンスが求められる文章については、そのまま公開すると誤解を招く表現になってしまうこともあります。海外のお客様に見せる文章である以上、少なくとも重要なページについては、人の目によるチェックや、ネイティブスピーカーによる確認を挟むことをおすすめしています。
また、多言語化は「公開して終わり」ではなく、その後の更新運用も見据えておく必要があります。日本語ページの内容を更新した際、対応する他言語ページも合わせて更新しないと、言語間で情報が食い違ってしまうことになります。特に料金やキャンペーン情報など、頻繁に更新する内容がある場合は、更新のたびに多言語対応の工数がかかることを見込んで、運用体制を考えておくことが大切です。
導入する際の注意点
- 費用は「対応ページ数」「翻訳を自社で行うか委託するか」「デザイン調整の範囲」によって大きく変わります。まずは対象範囲を整理してからご相談いただくとスムーズです。
- 機械翻訳をそのまま公開すると、ニュアンスの誤りが生じることがあります。重要なページは人の目によるチェックをおすすめします。
- 日本語ページを更新した際、他言語ページも合わせて更新する運用体制を事前に決めておく必要があります。
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