そもそもAIでホームページは作れるのか?できること・できないこと
結論から言うと「作れます」。ただしAIに丸投げすれば自動的に完成品が出てくるわけではありません。このステップでは、AIがどこまで手伝ってくれて、どこから先は自分の頭で考える必要があるのかを、実際の制作現場の感覚でお伝えします。
「AIでホームページを作る」の正体
「AIでホームページが作れる」という言葉を聞くと、多くの方は「AIに『美容室のサイトを作って』と頼めば、ボタン一つで完成品が出てくる」というイメージを持たれます。実際には少し違います。私が9年間、企業のディレクターとして、また独立してからは60件以上のサイト制作に携わってきた経験から言うと、AIが担っているのは「文章を考える」「構成を整理する」「コードの土台を書く」といった、これまで人間が時間をかけていた作業を高速化する役割です。最終的に「誰に」「何を」「どう伝えるか」を決めるのは、今もサイトの持ち主である皆さん自身です。
この20回のシリーズは、AIを「代筆してくれる優秀なアシスタント」として使いこなし、個人事業主や小さな会社が自分の手でホームページを立ち上げられるようになることを目指しています。ChatGPTやClaude、Geminiといった対話型AIで文章や構成を練り、AIが組み込まれたノーコードツールでデザインとコーディングを進める。この両輪を理解しておくと、外注する場合でも「何を頼めばいいか」が明確になり、無駄なやり取りが減ります。
向いているのは、パンフレットのような1〜5ページ程度の紹介サイトや、サービス内容を整理したいフリーランス・個人事業主です。逆に、会員システムや複雑な予約機能、独自のデータベース連携が必要なサイトは、AIだけで完結させるのは現実的ではありません。まずは自分が作ろうとしているサイトが、AIの得意分野に当てはまるかどうかを、このステップで見極めてください。
できること
例えば「会社概要ページの文章を書いて」とAIに頼めば、ゼロから白紙と向き合うよりずっと早く、たたき台が手に入ります。この「ゼロからイチ」の壁を越えられることが、AIを使う最大のメリットです。特に文章を書くのが苦手な方にとっては、大きな精神的ハードルが下がります。
また、AIはサイトマップ作成や見出し構成の壁打ち相手としても優秀です。「同業他社のサイトにありがちな構成」を踏まえた提案をしてくれるため、業界特有の抜け漏れ(料金ページや実績紹介など)に自分だけで気づくよりも、抜け漏れが減ります。この後のステップで、実際にどんな指示を出せば良いかを具体的に見ていきます。
このステップでまず試してほしいこと
自分のサイトの規模を書き出す
ページ数、必要な機能(問い合わせフォーム、予約、決済など)を紙やメモアプリに箇条書きにしてみましょう。ページ数が5枚以内で、機能も問い合わせフォーム程度なら、AI活用に向いている可能性が高いです。
気になっているAIツールを1つ触ってみる
ChatGPT、Claude、Geminiのいずれか無料プランで構いません。「〇〇業のホームページに必要なページ構成を教えて」と一度質問してみてください。回答の質や相性を体感することが目的です。
参考サイトを3つ集める
同業他社や、デザインが好きだと感じるサイトのURLを3つメモしておきます。後のステップでAIに「この3サイトを参考に構成案を作って」と伝える際に使います。
「できないこと」も一度書き出す
予約システムや会員ページなど、AIだけでは難しそうな機能がないか確認します。ある場合は、後半のステップで外部サービス連携や部分的な外注を検討する前提を作っておきましょう。
メリット・デメリット
最大のメリットは「初期費用と時間の圧縮」です。以前であれば、構成案を練るだけで数時間、文章を書き起こすのに数日かかっていた作業が、AIとの対話によって数十分〜数時間に短縮されます。特に一人で運営するフリーランスや小規模事業者にとって、外注コストをかけずに「形になった土台」を早く作れることは、事業のスピード感そのものを変えます。
一方で、AIが出す文章や構成案は「どこかで見たような無難な内容」になりがちという弱点があります。AIは学習したデータの平均的な傾向をもとに答えるため、他社との差別化ポイントや、その事業者ならではの強みまでは踏み込んで書いてくれません。そこを補うのは結局、自分自身の言葉と経験です。AIの提案を鵜呑みにせず、「本当にうちの強みはこれで伝わるか」を都度チェックする姿勢が欠かせません。
気をつけたいポイント
- 無料プランでも十分に試せますが、会話が長くなると文脈を忘れることがあるため、重要な設定(サイトの目的やターゲット)は都度メモしておくと安心です。
- 個人情報や未公開の事業計画をそのままAIに入力するのは避け、固有名詞をぼかすなど配慮しましょう。
- AIが提案する構成やデザインは「業界標準」であって「あなたらしさ」ではありません。最終確認は必ず人の目で行ってください。
- 複数のAIツールを併用すると回答の癖の違いが見えてきます。1つに絞る前に、STEP3以降で比較しながら進めるのがおすすめです。
まとめ
このステップでは、AIでホームページを作るというプロセスの全体像と、向き不向きを整理しました。AIは魔法の自動生成機ではなく、優秀な壁打ち相手であり、たたき台を作るスピードを劇的に上げてくれる存在です。次のSTEP2では、実際に「準備から公開まで」どのような順序で進めていくのか、具体的なロードマップを示していきます。
