AIチャットで競合サイト・ペルソナをリサーチする
デザインもコピーも、土台となる「相手を知ること」が甘いと後で必ず作り直しになります。AIチャットを壁打ち相手にして、競合サイトと想定顧客を先に掘り下げておきましょう。
なぜ、作り始める前にリサーチが要るのか
ホームページ制作の相談を受けていると、「とりあえずデザインから見せてほしい」と言われることがよくあります。気持ちはわかるのですが、実際に手を動かす前に競合サイトと想定顧客像を整理しておかないと、途中でコンセプトがぶれて、結局デザインを何度も作り直すことになります。STEP6は、まさにその「作り直しを防ぐための下調べ」を、AIチャットを使って効率化する回です。ChatGPTやGeminiのようなAIチャットに、同業種のサイトのURLを渡したり、業界名を伝えたりするだけで、強み・弱み・訴求の切り口をかなりのスピードで洗い出してくれます。
この工程が特に効いてくるのは、自分の業界の相場観がまだつかめていない人、あるいは独立したばかりで「同業他社が何を打ち出しているか」を体系的に見たことがない人です。私自身、会社員時代にディレクターとしてクライアントのヒアリングを担当していましたが、competitor分析は本来なら半日以上かかる地味な作業でした。AIチャットを使うと、複数サイトの傾向を並べて比較したり、想定される顧客層の悩みや検索意図を言語化したりする部分が数十分で済みます。もちろん精度は人間の分析に及ばない部分もありますが、たたき台としては十分すぎるほど使えます。
この20ステップの中でSTEP6は、AIチャットとの「対話に慣れる」フェーズの総仕上げにあたります。STEP1〜5でAIチャットの基本操作やサイトの目的整理を済ませてきた前提で、ここからは実際の競合や顧客というリアルな材料を投入していきます。次のSTEP7で「ビルダー型かコーディング型か」という制作方法の選択に進む前に、何を作るべきかの輪郭をここでしっかり固めておくと、その後の判断がぶれません。逆にこのステップを飛ばすと、STEP8以降でAIビルダーに「いい感じのサイトを作って」と丸投げしてしまい、量産型の没個性なサイトになりがちです。
できること
この3つは別々の作業に見えて、実は一本の線でつながっています。競合サイトを見て「どんな言葉で顧客に呼びかけているか」を分析すると、自然と「その言葉が刺さる相手はどんな人か」というペルソナ像が浮かび上がってきます。さらにそのペルソナが競合サイトを見たときに「何が足りないと感じるか」を想像すると、それがそのまま自分のサイトの差別化ポイントの仮説になります。AIチャットはこの一連の連想作業を、こちらが質問を重ねるたびに一緒に整理してくれる、いわば思考の壁打ち相手です。
実務的に役立つのは、AIが出してきた分析をそのまま鵜呑みにせず、「本当にそうか?」と聞き返せる点です。たとえば「この業界の競合サイトに共通する弱点は?」と聞いたあとに、「その弱点は本当に顧客にとって不満なのか、それとも業界の当たり前なのか」と重ねて質問すると、分析の解像度が一段階上がります。この往復こそがAIチャットリサーチの本当の価値です。
実践のステップ
競合サイトを3〜5件ピックアップする
Googleで自分の業種+地域名で検索し、上位に出てくるサイトや、知人・同業から評判を聞くサイトを3〜5件集めます。多すぎると分析が浅くなるので、まずはこの件数に絞るのがコツです。
AIチャットにURLと業種を伝えて分析させる
「以下の競合サイトのURLと業種を伝えます。それぞれの強み・弱み・ターゲット層の推測を表にまとめてください」というプロンプトで投げてみましょう。AIによってはURLを直接読み込めない場合もあるので、その際はサイトのトップページの文章をコピーして貼り付けると精度が上がります。
ペルソナを対話形式で深掘りする
「このサービスを検討している人は、他にどんな不安を持っていそうですか」「価格を比較するときに何を基準にすると思いますか」など、一問一答ではなく会話を重ねて人物像を立体化させます。年齢や職業だけでなく、検索する時間帯や検討している他の選択肢まで聞き出すと、コピーライティングにそのまま使える材料になります。
差別化の仮説を3つに絞って言語化する
出てきた分析をもとに「自分のサイトはここで勝負する」という仮説を3つほど短い文章でメモしておきます。ここで欲張って5つも6つも挙げると、後のデザインやコピーで軸がぶれるので、あえて絞り込むことを意識してください。
メリット・デメリット
最大のメリットはスピードです。人力なら半日仕事の競合分析が、AIチャットとの対話であれば30分から1時間程度で「たたき台」としての形になります。特に個人事業主や副業でサイトを持ちたい方にとって、この時短効果は制作全体のモチベーション維持にも直結します。また、自分では気づきにくい切り口(たとえば「価格の見せ方」や「予約導線の分かりやすさ」など)をAIが指摘してくれることもあり、視点が増えるのも利点です。
一方で正直に言うと、AIチャットが提示する分析は「もっともらしいが実際に検証していない推測」であることが多いです。AIはWebサイトの文章から傾向を読み取っているだけで、実際にその競合が繁盛しているかどうか、顧客が本当にその悩みを持っているかどうかまでは分かりません。ここを鵜呑みにしてサイト設計を進めると、的外れなコンセプトになるリスクがあります。あくまで仮説出しのスピードアップと捉え、最終的には自分の経験や実際の顧客の声で裏付けを取る姿勢が必要です。
気をつけたいポイント
- AIが出した競合分析は仮説として扱い、可能であれば実際の顧客や知人にヒアリングして裏付けを取りましょう。
- 競合サイトの文章をそのままAIに読み込ませる場合、著作権的にコピーライティングへ流用しないよう、あくまで分析材料としての利用に留めてください。
- ペルソナは詳細に作り込みすぎると逆に汎用性を失うことがあるため、「典型的な1〜2人」に絞ると使いやすくなります。
- 分析結果はメモやドキュメントに残しておき、STEP8以降のデザイン・コピー作成のときに何度も見返せるようにしておきましょう。
まとめ
STEP6でのリサーチは地味な作業に見えますが、ここでの解像度がそのまま完成したサイトの説得力に直結します。AIチャットを使えば以前よりずっと短時間で土台を固められるようになりました。次のSTEP7では、ここまでの材料をもとに、AIビルダー型で作るかAIコーディング型で作るか、自分に合った制作方法を選んでいきます。
